悲しい悲しい気分になります
人間の世界を駆逐して動物のユートピアを作ろうとした彼ら。でも人間社会と同じ運命をたどってしまうのでした。読書中から悲しみが沸き起こってきました。みんなでより良い社会を作ろうとがんばった彼らですが、やはり特権階級が出てきて、それを無意識のうちに支える者もでてくる。無垢な動物ですらそうなってしまうのですから、人間はもう我慢できません。
より良い社会を目指したが、最後は悲しさが漂う世界になってしまった。動物たちは人間になった。当初の敵であった人間になりたがったのです。
本書に書かれていることは真理なのかもしれませんが、そんな真理に溺れたくありません。そのことを理解するにも本書を読まなければなりません。本書の悲しさを体験した者だけが、その真理を乗り越えられると考えるからです。
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