ファッションビルの通史
日本独特の商業施設であるファッションビルの歴史(主にマーケティングの
面から)をまとめた一冊。
表紙からも分かるとおりパルコとラフォーレ原宿の二強を主にして論を
進めています。
最初にファッションビルの定義づけを行ったり、市場は「ひと・みせ・まち」の
循環で成り立っているとした上で、先に挙げたファッションビルの両雄が如何に
して店舗を開発し、ひいてはそれが存在する街そのものをブランド化していく
過程が綴られています。
店舗開発・街作りの実例集として一読してみるのもお薦めです。
ただ残念なのは図版が一点もないところ。
両雄が両雄足り得たのは時代を先取りしたポスターやどんなテナントを引っ張って
くるのかという選別眼にあった、とするのであれば、それが「どんなものであった
か」ということを読者に提示すべきではないかと。
(この本は人気便乗本ではなく、きちんと相手に取材を行っています。また
マーケティングを生業にしてきた著者の一冊です。著者自身が所有する資料
だって有るでしょう)
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